Radical Angler's Talk

Carp

雨の降る夕方、会社帰りに久しぶりにコイを狙った。そんなことを思い立ったのは先日そこで悠然とライズを繰り返すコイを見つけたからで、でかいのは80cmくらいはありそうだった。#6のロッド、4Xのリーダーにフライを付けて、ライズめがけてフライを流し込む。

楽勝だと思えたライズだったが、思いの外手強かった。なかなかフライを咥えてくれない。フルラインを出してようやく届く流れの向こう側でライズは続く。フライをあれこれ試しているうちに、雨脚が強くなった。それでも僕はそこを立ち去れずにいた。ほんの10mほど離れた車の中にはレインウェアもあるんだけど、それを取りに行くことすらもどかしかった。ずぶ濡れになりながら夢中でフライをキャストした。

結局コイは釣れなかった。一度だけスッポリと吸い込んだのだけれど、合わせてみたら見事にすっぽ抜けた。もはやパンツまでずぶ濡れだ。ふと我に返り、40過ぎたおっさんのやることではないと思った。でも、不思議とさわやかだった。

なぜだろう? 意外なまでの充実感だった。思い当たることはただ一つ。最近僕は傲慢だったのである。相手に合わせることをせず、「これで釣れてみやがれ」みたいな態度で魚に接していたことに気がついた。いや、それは言い訳で、釣れない自分をそういうポーズをとり続けることで慰めていたのかもしれない。謙虚であるべきだ。それがすべての始まりなのである。

夕闇が忍び寄り、ほとんどフライは見えなくなっていた。「あと1投だけ・・・。」いつ終わるともしれないラストキャストが始まった。
by rionpapa | 2006-05-10 21:10 | Fresh