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Radical Angler's Talk

痛恨・・・その2

当然、むきになる。これでムキになれなかったら僕はおしまい。救いだったのは、リサーチでその4時半以外はまったく気配がなかった(夜中も)こと。おかげでその時間帯以外は別の場所で釣りを楽しむことができたのである。でも、多少の誤差を考えて、3時過ぎから日暮れまではその場所から動けない日々が続いた。

でも、入れ替わり立ち替わり自分の餌場を蹂躙する人間に嫌気がさしたのか、ライズを見ることは滅多になくなっていた。しかも、ライズはほんの数回。それまではある程度やる気になったところでフライを投げてやろうと考えていたんだけど、こりゃ一発目のライズがあったら速攻で投げなきゃだめかな? という風に余裕もなくなってきた。この間、フライを投げたのは一度きり。ライズが始まる前からフライを浮かべておいたらどうなるだろう?と、キャストして30分くらいそのまま浮かべておいただけ。もちろん反応はなかった。田代さんに話をしたら、その昔忍野にいた「忍野太郎」と呼ばれた巨大ブラウンになぞらえて「玉来三郎」とでも名付けようかという話になった。で、次郎はどこ?(笑)

3月ももう終わろうとしていた。僕はその三郎さんにかかりきりで一度もまともなイブニングの釣りをしていなかった。もうすぐ4月、竹田のライズの釣りは一段落を迎える。おそらくこの週末が最後のチャンスではないか?

いつものように4時にはライズ待ちのポジションにつく。解禁直後の喧噪はなく、僕は一人きりだった。時刻は5時前。もうだめかと思っていたら、運良くライズが始まった。三郎さんに違いない。なぜか活性が高そうである。続けざまに3回ライズした。よし、goだ!

さぁ、キャストしようと思ったら、手が震えているのに気がついた。あわてて右手で左手をおさえ、ゆっくりと深呼吸。今日はまたとないチャンスに思える。絶対に仕留めてやろう。もう一度、ガボッという音とともに水面が割れた。その波紋が消えないうちに、フライをキャストした。そして待つこと何秒か、何十秒か・・・。突然僕のフライを飲み込むでかい魚体!!! しっかり間をおいてゆっくりをロッドを立てる。三郎に挑む際、何度も何度も心の中で固く誓ったことだった。ロッドはずっしりとした量感を僕の手に伝えるはずだった。頭の中で何度も何度も繰り返したルーティン。だけど、実際にはカツッというかすかな手応えを残しただけで、僕のラインは宙を舞った。

Oh My God!!! 当時釣友Yの口癖だった言葉が口をついた。失敗した。何が悪かったんだろう? 当然それっきりライズは止まった。家に帰ってから何度もどうして失敗したのか考えた。実をいえば今でも考える。でも、未だに答えは出ていない。三郎さんとはそれっきり会えずじまい。風の噂で誰かがそこででかいのを釣ったという話を聞いた。

一期一会。だからこの遊びはおもしろい。

あと三日。
by rionpapa | 2006-02-26 21:24 | Fresh